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バンコク 反政府熱気いま一歩

2020年11月15日

 汗ばむ陽気に、続々と詰め掛ける若者たちの熱気。人混みを進むと「暑いから、どうぞ」とペットボトルの水を手渡された。香ばしいにおいに目をやると、無料のタイ飯コーナー。ステージではノリのいい司会者が、会場を沸かせる。週末、取材に出掛けたバンコクの反政府集会は、野外フェスのようだった。

 こうした集会が毎週、各地で盛り上がっている。批判の矛先は、政府の強権姿勢や君主制の在り方。警察の厳重警戒が目につくが、今のところ一触即発の様相はない。政治家らを笑い、皮肉り、楽しみながら一体感を醸成しているよう。

 近年のタイは、クーデターの歴史ともいわれる。内部の権力闘争や市民の抗議運動、政治家同士の対立を、最後は軍が力を背景に鎮静させてきた。今も、集会を企画したリーダーらが次々逮捕され、「緊張が増している」との見方もある。

 仕事帰り、立ち寄った食堂で店員の学生に関心を尋ねてみた。よく知られた学生リーダーの写真を示すと首をかしげ「学校と仕事が忙しいから」。これがまだ普通の若者の感覚か。大きなうねりになるのか、しばらく目が離せない。 (岩崎健太朗)

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