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韓国・江華島 休戦の厳しさを実感

2020年11月18日

 ちょっとした観光名所のようだった。ソウルから北西約40キロに位置する江華島(カンファド)。新型コロナウイルスに感染した疑いがあるとされた脱北者が北朝鮮に戻る抜け道に使った排水路の前で、観光客らしき人たちが次々と写真を撮っていた。

 排水路をのぞき込んでいた男性に話を聞くと、「テレビで見て場所を知り、どんなところか気になって来てみた」。すぐそばに文化財に指定された史跡もあり、観光のついでに立ち寄ることにしたのだという。

 脱北者の事件では、排水路の鉄格子は老朽化し、監視カメラが捕捉した脱北者を兵士が見逃すなど、ずさんな警備態勢が判明した。大きなニュースになったが、実際に訪れてみると「よく見つからなかったものだ」と感心するほど。すぐ隣には韓国軍の施設が立ち、監視塔の下を通過しなければ北朝鮮につながる漢江(ハンガン)には出られないからだ。

 史跡がある高台に上ると、漢江沿いに鉄条網が延々と続き、約2キロ対岸の北朝鮮が見渡せた。軍の失態に、島に住む男性は「もし敵の侵入だったらどうするんだ」と憤る。韓国と北朝鮮は、あくまで休戦状態。現実を実感させられた。 (中村彰宏)

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