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上海 日本の若者文化人気

2020年11月17日

 中国も本はインターネットで買う時代だが、上海市の外国語書籍を扱う書店は、日本の輸入書籍コーナーだけが中高生の若者たちでにぎやか。村上春樹さんや東野圭吾さんの小説も平積みだが目もくれず、漫画やアイドルの写真集などをじっくりと品定めしていた。

 「高すぎる。最近お母さんにお金を使いすぎるなと言われてるんだ」。友人と訪れていた女子中学生は、惜しみながら新垣結衣さんの写真集を本棚に戻した。日本での販売価格は約2500円だが、上海では約300元(約4600円)もする。

 その後、店内をぶらぶらして選び抜いたのはイケメン俳優の佐藤健さんが熊本を旅する写真付きエッセー集。こちらも日本では2500円程度だが、価格は210元(約3200円)だった。ちなみにもう1人の女子は「女子中・高生の制服攻略本」という本を購入していた。

 中国で最も購買力のある上海では、日本のアイドルのライブやイベントなどに参加する体験型旅行が人気だという。爆買いのイメージだけで中国をとらえていては「アフターコロナ」の訪日中国人のニーズを見誤るかもしれない。 (白山泉)