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北京 7カ月間の春節休み

2020年11月21日

 北京市内の小中学校と幼稚園が9月、登校・登園を再開した。北京の学校は1月下旬の春節(旧正月)休み以降、新型コロナウイルスの流行によってそのまま登校できなくなっていた。市政府が再開方針を発表した8月中旬、その日は夕方から大雨となり、ネット上は「親が流した歓喜の涙」などと盛り上がった。

 5月から一部の学年から順番に登校が再開したが、6月上旬に市内の市場で感染者が見つかり、再び全学年が登校中止になった。私の子どもの学年は登校再開の直前のタイミングで、ネット授業に逆戻り。9月の登校再開は7カ月ぶりとなる。

 中国のコロナ対策は、休校措置など市民生活の制限をためらわない。だが多くの中国人は、特に米国と比べ自分たちの対策が成功したと誇る。先日会った国家公務員の女性は「庶民の政府への信頼が高まった」と胸を張った。一方で小学生の子どもを抱え、「家で面倒を見るのは限界」とも漏らした。同感だ。

 市内で感染者が出れば再び登校中止となりかねない。わが家の子どもは久しぶりの学校や幼稚園から笑顔で戻ったが、感染者が出ないように祈る日々が続きそうだ。(中沢穣)