2020年11月20日
嫌な予感が的中した。9月中旬、ロンドンの自宅から久々に車を運転しようとすると、バッテリーが上がっていた。
7月上旬までの厳しい外出制限中、現地メディアは、自家用車を時々運転するよう勧めていた。長期間の放置によるバッテリーの不具合を防ぐためで、私も当初は心掛けた。ただ、途中から運動不足解消のために長距離を歩くことが習慣になり、3カ月近く運転していなかった。
電話で呼んだ修理業者は私と同様の依頼が多いことを口にして応急処置を施したが、いったん動いたエンジンはすぐに停止。結局、点検とバッテリー交換をすることになったが、修理業者は作業中、私の欧州メーカーの車を見ながら「おまえは日本人なのに、なぜ日本車に乗らないんだ?」と尋ねてきた。
質問の理由を聞くと、「欧州メーカー製より壊れにくくて経済的にお得なんだ」などと日本車の長所を挙げた。確かに、英国の新車販売市場では主な日系メーカーで全体の15%超を占め、日本車は一定の人気を保つ。修理業者は会計時にも「日本の車は素晴らしいぞ」とひと言。思わぬ出費で落ち込んだ気持ちが少し晴れた。(藤沢有哉)