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ニューヨーク 割れる「9・11」追悼

2020年11月22日

 米中枢同時テロから十九年となった「9・11」。世界貿易センタービルが倒壊した跡地では今年も追悼式典が開かれた。一輪の赤いバラを手にした母親、黙とうをささげる消防士…。だれもが厳粛な面持ちだ。

 ただ、隣り合う広場に目をやると、もう一つの式典が行われていることに気付いた。新型コロナウイルス対策として、従来の式典が恒例の犠牲者名の読み上げを事前録音で済ませたことに反対し、現場での音読にこだわった団体の集まりだ。「当日の読み上げは、悲劇の記憶を呼び起こすために欠かせない。コロナ? 参加者同士の距離は空けているよ」とスタッフ。

 犠牲者を悼む方法は人それぞれ。全ての人が一つの式典に賛同する必要もない。だが、9・11では、崩壊したビルの粉じんを吸い、呼吸器を病んだ被害者も少なくない。未知のウイルスにはもっとも弱い人々だ。

 コロナを巡っては、マスクの着用でも世論が割れた米国。二つの式典も深まる分断と見るのはいきすぎだろうか。「音読派」には共和党のペンス副大統領が出席した半面、バイデン前副大統領ら民主党幹部の姿はなかった。(杉藤貴浩)

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