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ソウル 帰省自粛本音チラリ

2020年12月15日

 韓国では、中秋(旧暦の8月15日)を「秋夕(チュソク)」と呼び、人々は帰省して墓参りや収穫祭をする。日本のお盆と彼岸を合わせたような風習で、当日と前後の計3日間が休日となる。

 今年は10月1日が秋夕だったが、やはり、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、例年とは様子が違った。ソウルなど首都圏の子育て世代の多くが、故郷の祖父母宅を訪れるのを自粛したという。

 テレビのニュースでは、お年寄りが「孫の顔を直接見られずに残念。ビデオ通話で我慢」などと語るインタビューの映像が流れ、寂しい印象を受けたが、韓国人の知人たちから意外な本音を聞いた。

 30代主婦のPさんは「毎年、夫の実家で親戚のために特別な料理を準備しないといけなかった。今年は解放されてラッキー」と話した。40代男性会社員のJさんは「妻と私の母の微妙な仲を気にするストレスがなかった。ポストコロナの秋夕のあり方を考えた」と冗談めかした。

 儒教文化の影響などで日本以上に厳しいといわれる韓国の嫁姑(しゅうとめ)関係も、コロナ禍で揺らいだのか?

 (相坂穣)