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カイロ カズ見て 74歳ギネス

2020年12月26日

 エジプトのプロサッカーチームに所属するエゼルディン・バハダー選手がこのほど、74歳での試合出場で、世界最高齢のプロ選手としてギネス記録に認定された。10月中旬に正式認定を判断する試合があり、カイロ近郊の会場に足を運んだ。

 ギネス認定には、2試合へのフル出場と、試合中に20回以上のパスが条件。3月に1度目のフル出場を果たしたが、新型コロナウイルスの影響で試合が一時中断していた。

 バハダー選手がギネスを目指したのは、日本の三浦知良選手(53)がきっかけだ。ユーチューブで三浦選手を知り、「自分にもきっとできる」と2年前からトレーニングを開始。たばこをやめジムで体を鍛え、1月にプロチームから声がかかった。

 試合では他の選手のような激しいプレーはなかったが、仲間にパスをつなぎ、ゴールも決めた。無事に試合が終わると、駆け寄ってきた孫たちを抱き締め、初めて笑顔を見せた。息を切らせて取材に応じ、「人生には若いときにできなくても、年を取ってからできることもある。それを伝えたい」とはにかんだ。すがすがしいその顔が、何ともすてきだった。 (蜘手美鶴)