【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. アメリカ・カナダ
  5. 米ミルウォーキー 混乱や対立うんざり

米ミルウォーキー 混乱や対立うんざり

2021年01月02日

 米中西部ウィスコンシン州ミルウォーキー郊外のアンティークショップ女性経営者ジョディさん(61)は、4年前にトランプ大統領に投票したことを後悔していた。「これまでは共和党に入れていたことが多かったけど、二度と支持しない」

 新型コロナウイルスに対しトランプ氏がマスクを着けず、国民に注意を呼びかけないことに失望している。最近もある店に「他人を批判するな。マスクは必要ない」との張り紙があったという。「全く同意できない。皆がやるべきことをやっていたら、状況はずっとましだった。大統領が人々を分裂させた」とうんざりした表情で語った。

 同州は大統領選の帰趨(きすう)を決めたラストベルト(さびついた工業地帯)の激戦3州の一つ。前回選挙では0・7ポイント差でトランプ氏が勝利したが、今回は0・6ポイント差で民主党のバイデン前副大統領に敗れた。

 大統領選取材で各地を回り感じたのは、トランプ氏への根強い支持の一方で、同氏がもたらす混乱や対立にへきえきする人々の様子だ。特にジョディさんのような郊外の女性にはその傾向が強く、「退場」を突きつけることになった。 (金杉貴雄)