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ソウル 虫よすぎる不買運動

2021年01月06日

 「予約ですべて完売しました。発売当日の店頭販売はありません」。近所のショッピングモールにあるゲーム店に行ってみると、入り口にそんな張り紙がある。ソニーの新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」は韓国でも11月12日に販売が始まったが、事前予約で即完売。受け付けは1時間足らずで終了したという。

 その人気ぶりにふと思ったのは、「日本製品の不買運動はどうした?」。予約でPS5を手に入れた友人に聞くと、「自分が好きなものには関係ないよ」とサラリ。その一方で、ビールなどは日本製品を避けているという。

 昨年7月の輸出管理強化を機に始まった不買運動は長期化し、今夏の世論調査では7割以上が「参加している」と答えていた。近くの大型スーパーでも日本製のビールが姿を消したままだ。

 日本車販売店に勤務する知人は「付加価値の高い高級車は戻ってきたが、競合が多い価格帯は売れない」と嘆く。代わりがきくものは避け、どうしても欲しいものはお構いなく購入する。それはちょっと虫がよすぎないだろうか。 (中村彰宏)