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ソウル 披露宴 気軽さが韓流

2015年02月27日

 韓国人カップルの結婚式に招かれた。式場はソウル市内のホテル。日本のような静けさや独特の緊張感はなく、百貨店のイベント会場のようなにぎやかさと来場者の多さに驚いた。

 日本では式や披露宴に出るのは招待客だけ。韓国では知人でも隣近所の人でも、出たい人が祝儀を手に、自由に式場に足を運ぶ。ジャンパーなど普段着姿の人も多く、その日の出席者は約450人だった。

 指輪の交換や記念撮影が終わると、出席者は三々五々、隣の宴会場へ。上司や友人の祝辞、新婦から両親への手紙披露といった式次第は何もなく、カルビスープなどの簡単な食事を済ませ、会場をあとにした。韓国ではごく一般的な流れという。

 家族愛と男女の熱愛があふれる「韓流ドラマ」の国だから、日本以上にドラマチックだと思い込んでいた。手の込んだ演出はなかったが、だれでも気軽に出席して祝福できる点はお互いに負担が少なくて合理的だ。

 その日の新婦いわく「450人の規模で日本みたいな披露宴はできない。たくさんの人から祝ってもらうことが目的」。地縁、血縁を大切にする国らしい式だった。 (中村清)