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中国・武漢 マスクで覆う心の傷

2021年01月31日

 新型コロナが最初に広まった湖北省武漢市を昨年末に訪れ、マスク姿が意外に多いという印象を持った。8割前後が着用していただろうか。

 昨年夏以降、中国では国内移動がおおむね可能になった。内モンゴル自治区や山東省ではマスク姿の少なさに驚いた。着用率はいずれも1割程度だったと思う。8月下旬に訪れた山東省済南市ではタクシー運転手に「暑いだろう。ここではマスクは必要ない」と気遣われた。

 一方、一貫してマスク着用率が高いのが北京だ。着用率は武漢と同じ8割くらいか。首都であるため防疫措置が一段と厳しく、マスクなしでは地下鉄に乗れない。赤ちゃんがマスクを嫌がり、困った様子の父母らを目撃したこともある。冬に入り、防寒にもマスクが役立つ。

 しかし、武漢はマスクがありがたく感じるほどには寒くない。住民全員へのPCR検査も実施し、当局は「世界でいちばん安全な街だ」と宣伝する。マスク率の高さについて湖北省出身の女性(25)は「身内や友人をコロナで失った人も多い。心の傷が残っているのでは」と話す。コロナ制圧を自賛する中国だが、内実はなおも複雑だ。 (中沢穣)

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