2021年02月02日

　ソウル市民の憩いの場、漢江（ハンガン）沿いの公園を歩いていたら「ペダルゾーン」と書かれた場所を見つけた。「ペダル」とは韓国語で配達のこと。出前で注文した飲食物を受け取る場所だった。

　韓国は出前文化が発達。アプリで手軽に注文でき、鍋物や飲み物、デザートまで出前できない食べ物はないほどだ。位置さえ分かれば屋外にいても届けてくれるが、広大な公園では位置が分かりにくい。そのためペダルゾーンをいくつか設け、その番号を言えば、そこまで品物を持ってきてくれる。

　新型コロナウイルスの感染拡大により、自宅勤務が増えたことや会食を避けるようになったことから出前の注文が急増。気分転換に感染の心配が少ない外に出て食べようと、公園などで出前を取る人も増えているという。

　どこでも届けてくれるのは確かに便利なのだが、困るのはごみが大量に出ることだ。容器はほとんどが使い捨てのプラスチック製で、キムチなども小分けして入れる。週末、容器やポリ袋であふれた自宅マンションのごみ捨て場を見るたび、何とかならないものかと思う。　（中村彰宏）