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バンコク 心から笑える日願う

2021年02月07日

 居酒屋で注文したサラダは、エビ入りだった。運んできてくれたのはミャンマー人の女性。「大丈夫、心配ない」。目が合うと、そう言いたげな作り笑顔でうなずかれ、恐縮した。昨年末、バンコク近隣県のエビ市場で、ミャンマーからの出稼ぎ労働者を中心に新型コロナウイルスが広がり始めたころだった。

 コロナ対策の「模範」とされてきたタイだが、年末年始に急拡大。出稼ぎ労働者には不法入国も多く、会員制交流サイト(SNS)などで中傷が広がった。風評を恐れた雇い主に追い出され、労働者十数人が路上に放置されるという話も耳にした。

 そうした百万人前後の労働力に経済が支えられているのがこの国の現実だ。「同じ仏教徒、家族同様に支え合おう」。政府の担当者はそう呼び掛け、困窮する出稼ぎ労働者に食事を提供する食堂も相次いだ。この国らしい包容力だとも思えた。

 今年を占う最近の世論調査で、コロナ禍は「拡大」し、経済情勢は「悪化する」との見通しが多数を占めた。今年こそは、心から笑える日が来ることを。半ばロックダウンとなり、騒がしくも、静かな一年の始まりにそう願った。 (岩崎健太朗)

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