2021年04月25日
国連総会で、クーデターへの抵抗を示す三本指を掲げたミャンマーのチョー・モー・トゥン国連大使にインタビューした。新型コロナ対策でオンラインでの実施となったが、やりとりの最後に「この後、私がいる建物の周りに支援者が来ますよ」と教えてくれた。
パソコンを閉じ、さっそく現場に行くと、在米ミャンマー人支持者らの輪に、さきほどまで画面上にいた大使の姿も。国軍による弾圧が深刻化する母国の情勢について、真剣な表情で話し合っていた。
輪の中にいたトーン・ライさん(74)に話し掛けると「武器も弾薬もない市民に国軍が銃を向けている。世界の支援が必要だ」と訴えられた。ニューヨークに来て30年。身に付けた農業技術を教えにミャンマーと米国を行き来してきたが、クーデター後は母国に残した妻を案じる日々だという。
大使もインタビューで「両親は故郷にいる」と語った。大切な人を人質にとられているかのような状況で、異国の地から反独裁の声を上げる人々。彼らが母国で家族と笑顔で再会するために、国際社会は何をすべきだろうか。 (杉藤貴浩)