2021年04月30日

　新型コロナウイルス禍でマラソン大会が軒並み中止となる中、メリーランド州の森林でトレイルマラソンの大会があると聞き、喜び勇んで初挑戦した。

　地元のランクラブが主催する小さな大会は「３密（密集、密接、密閉）」回避が徹底していた。出走１０分前までは車で待機。数分置きに約１０人ずつ、マスクを着用してスタートし、給水所でも必ず着用。給水ボトルも持参で自分で冷水クーラーから補給する念の入れようだ。

　幅５０センチほどの小道を、青いリボンを目印にひたすら走る。しかも足元がデコボコして美しい景色を楽しむ余裕がない。前方でランナーがバタバタと転び始めた。そのたびに後続のランナーが「大丈夫か」と気遣う。何と美しい眺めだと感心しつつ、自分は決して転ぶまいと誓ったものの、やはり豪快に転んでしまった。ただ前後に人が見えないほど社会的距離が空いていたため正直寂しかった。

　約４６キロを６時間以上かけて完走。ゴール時の係員の第一声が「マスクしてね～」だったのには少し参ったが、安全に配慮して開催にこぎ着けてくれたことに感謝。まさに記憶に残る大会だった。　（岩田仲弘）