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バンコク 緊張感ない感染対策

2021年05月19日

 夜、バンコクのアパートに帰宅すると、防護服姿の作業員が薬剤を噴霧していた。「ついに、うちまで」。管理人に尋ねると、住人1人に新型コロナウイルス感染者が出たという。「あなたとは別の階。マイペンライ(心配することはない)」

 この1年、「比較的、抑止に成功した」とされるタイだが、4月からの第3波で感染者数は右肩上がり。知人女性は友人の感染がわかり、PCR検査を受けたが、結果判明まで11日かかった。職場の助手も、発熱で受診したが「まだ大丈夫」と検査を拒まれた。

 政府は再び、営業制限や在宅勤務要請など規制を強化。だが、街がひっそりとした1年前とは変わって、さほど緊張感はみられない。コロナと共に生きる術(すべ)か、単なる慣れか。タイ人の知人は「国は無策。じっとしてても好転しないと学んだ」。

 ただ、飲食や観光、サービス業などの疲弊は痛々しい。翌日から店が閉まり、2週間故郷に戻るというマッサージ店の女性は「収入の当てはない。戻ってこられるかもわからない」。政府への不信に、格差拡大。潜んでいたひずみが、今にも噴き出しそうだ。 (岩崎健太朗)

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