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パリ ケンゾーに敬意の目

2021年06月01日

 パリ支局とシャンゼリゼ通りを挟んではす向かいにオークションハウスがある。壮麗な造りの建物で、いつか入ってみたいと思っていたところ、昨年10月に新型コロナウイルス感染で死去した服飾デザイナー高田賢三さんの遺品オークションの案内が届き、二つ返事で取材させてもらうことにした。

 「本当にすてきなコレクションで整理していて楽しかった」。案内係の女性が興奮気味に話す。展示室に並んでいたのは、パリ中心部のアパートを彩った家具や装飾品、食器など。日本やアジア、欧州など全世界で収集した逸品は年代も作風もバラバラなのに、全体で見ると絶妙に調和が取れている。愛用した色鉛筆や絵筆が置かれたアトリエも再現され、「色の魔術師」と呼ばれた故人の息遣いが聞こえてくるようだった。

 「誰もが知るケンゾーが愛した品々の競売に、立ち会えるのは光栄なこと。買い手一人一人の元で、偉大なデザイナーの精神が生き続けるのだと思う」。競売人ステファン・オベールさん(45)の言葉に高田さんがいかに世界で認められていたのかを再確認し、敬意の目でコレクションを見返した。 (谷悠己)

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