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米ラスベガス 光強ければ影も濃く

2021年06月09日

 華やかなエンターテインメントとカジノで有名な米西部ネバダ州ラスベガス。そうした喧騒(けんそう)とまるで似つかわしくない建物が、街の中心部からわずか2キロほどの場所にあった。「国立核実験博物館」だ。

 米ソ冷戦期、北100キロの砂漠地帯に「ネバダ核実験場」があった。1951年から92年まで約1000回の核実験が行われ、地上実験もうち100回。ラスベガスはその核実験見学が一つの「ショー」となり観光客でにぎわい、現在のような大リゾート地に発展する原動力にもなった。

 当初は放射能などの影響についての知識が一般に薄く、観光客はホテル客室の窓から、きのこ雲を眺めて楽しんだという。

 博物館の展示は核開発や実験の歴史が中心。周辺住民の健康被害や日本への原爆投下についての記述もあったが、負の側面への言及は少ない印象だった。

 それでも展示を見た男性(71)と女性(65)夫妻は「世界に核が広がり、かつてより恐ろしい。中国との軍拡競争に走ってほしくない。思慮深さが必要だ」と語った。「光が強ければ影もまた濃くなる」。そんな警句が世界的な歓楽街で頭に浮かんだ。 (金杉貴雄)

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