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中国・瀘定県 紅軍ってすごいねえ

2021年07月09日

 四川省カンゼ・チベット族自治州の南東端にある瀘定(ろてい)県。長江水系の川「大渡河」にかかる約100メートルの「瀘定橋」は、太さ3センチの鉄の鎖13本が支える。鎖の上に敷かれた木板には等間隔のすきまがあり、足元からのぞく激流が恐ろしい。ゆらゆら揺れる幅3メートルの橋を一歩、二歩と進むと、足がすくんだ。いったん引き返すと、同様に引き返してきた高齢女性と目が合った。「怖いですね」と声をかけると、女性は「紅軍はすごいねえ」と息を弾ませた。

 1935年5月、中国共産党の軍隊「紅軍」は、国民党政府軍に追われる「長征」の途中、この橋を巡る激戦を制してチベット高原に逃れた。毛沢東は後に「大渡河を越えるのに失敗していたら、紅軍は消滅していた」と振り返ったとされる。橋は現在、党史を学ぶ「紅(あか)い旅行」の観光地としてにぎわう。

 下を見なければ大丈夫だろう、と考えて再挑戦してみたが、橋の3分の1ほどでやはり足がすくむ。途方にくれていると、係員がスタスタと歩いてきて「肩につかまれ」と連れ戻してくれた。先の高齢女性が「紅軍はすごいねえ」と繰り返して笑っていた。 (中沢穣)

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