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タイ・サムットプラカーン 閉塞感を吹き飛ばす

2021年07月30日

 高音を響かせ、眼前で離陸したジェット機が青空に吸い込まれていく。自由な渡航に思いをはせ、ペダルをこぐ脚に力が入る。サムットプラカーン県、スワンナプーム空港の外周にあるサイクリングコースを訪れた。

 新型コロナウイルス第3波の行動制限で、バンコクの公園が閉鎖していたころ。近郊で管轄が違うとはいえ、感染者が出ても通常通りだった。「王室系企業が中心となって整備し、命名したのも自転車好きの国王だし」。知人は当然だと言わんばかり。閉塞(へいそく)感から解放された家族連れらの笑顔があふれていた。

 王室は、ワクチンでも存在感を発揮する。遅々とした政府の接種ペースを横目に、王室系研究所が独自調達を発表。保健相さえ寝耳に水だったが、2日後に承認された。「政治家は力不足。いざという時に国民を助ける王室の伝統、再びだ」とは批評家の弁。昨年吹き荒れた王室批判からの失地回復策なのか。

 23キロコースを2周した体には運動後の1杯が焦がれたが、店でのお酒は解禁前。「商売にならず補償もないけど、言われるがまま」。行き場のない店主の嘆きに、爽快感が少ししぼんだ。 (岩崎健太朗)

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