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上海 わざわざ店に来る客

2021年08月18日

 上海の日本人街の近くに、小さなブティック通りがある。ショーウインドーにモノトーンの奇抜なデザインの服を飾っている店があったので入ってみた。

 店番をしているアルバイトの女性店員はけげんな表情を浮かべて「何しに来たんですか」と聞いてきた。同業者が視察に来たものと疑っているようだ。

 というのもこの店を訪れるのは、なじみの得意客だけ。欧州で修業した服飾デザイナーのオーナー(30代男性)がデザインした服を求めて、周辺の都市から訪れるのだという。

 スマホアプリで何でも買える時代だが、わざわざ店に来るのは「オーナーのファンの得意客は、新作を見て試着して注文したい」から。店員によると「月に一度来店し、15着くらい買っていくお客さんが多い。パーティーで着る服をひと月分まとめ買いしていく」のだそうだ。1着800元(約1万4000円)程度。一軒間口の狭い店内に、得意客が注文した服の詰まった紙袋がぎっしり並んでいた。

 この通りには日本人など外国人を相手にしていた店も多かったというが、今残るのは裕福な中国人女性の心をつかんだ店だけのようだ。 (白山泉)

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