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ワシントン 商業五輪の悲しい姿

2021年08月31日

 東京五輪の開会式を、テレビで見た。ところが、流れに関係なく、途中で切れてCMが入る。各国選手団の入場が始まっても同じで、驚いた。

 米国では、1988年のソウル五輪から大手放送局NBCが放送権を独占。国際オリンピック委員会(IOC)にとって最大の収益源で、2014年から32年までの放送権料は総額120億ドルにのぼる。日本円にして1兆3000億円を超える費用を回収するため、獲得した大量のCMを流さなければならない。

 途中で出掛けようとしたところ、アパートの出入り口で管理人がスマートフォンで開会式を見ていた。「CMばかりでイライラしない?」と聞いたら「大量のカネが絡んでるから仕方ない」とあきれ顔。「それより、今の日本は暑くないのか」と聞かれた。選手には過酷な季節だが、これもNBCの都合に合わせた日程だ。

 米国での開会式の視聴者数は、過去33年で最低だった。競技が始まっても伸び悩み、NBCは広告主への補償を検討しているとの報道もあった。視聴者も選手も置き去りにした商業五輪の、悲しい姿だ。 (吉田通夫)

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