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北京 ネット世論隠す当局

2021年10月28日

 中国で、世論を巡る攻防の現場はネット上にある。性的被害を訴える#MeToo運動を象徴する弦子さん(28)の裁判を取材してあらためて感じた。

 北京の裁判所前には開廷前から広い範囲で規制線が張られ、多数の当局者がうろつく。支持者や外国メディアの記者らが集まるが、中国の官製メディアの記者はいない。一方でネット上で発信する「自媒体」らしき人々はいるようだ。「支援に感謝している」と話す弦子さんを支援者らが取り囲むと、当局者が「散れ散れ」と妨害する。

 ネット上では1時間もせずに「がんばれ」などと弦子さんへの応援と、「外国勢力に利用されている」などという非難の双方の投稿が画像や映像つきで広がった。そういえば外国メディアの記者ばかり撮影していた男女がいたことを思い出す。

 ところがさらに1時間もしないうちに、応援する投稿はすべて削除された。非難の投稿は増え続けていたが、裁判所周辺の画像や映像は非難する文脈でも見られなくなった。MeTooへの支持は許さず、涙ながらに正義を訴える弦子さんの姿や当局者の横暴ぶりは隠す。当局の意図は明らかだ。 (中沢穣)

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