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米アルバカーキ 高地での頭痛のわけ

2021年12月02日

 第二次大戦中の原爆開発で有名なロスアラモス研究所から車で南におよそ1時間半。米西部ニューメキシコ州の最大都市アルバカーキに、国立原子力博物館がある。

 中に入ると、最初に原爆開発の経緯の説明があり、その続きに日本のアジア侵略や真珠湾攻撃、日本での原爆研究まで紹介されていた。「原爆」と「日本の脅威」をあえて結びつけるような配置は、後の日本への原爆投下を正当化しているようで強い違和感を覚えた。

 広島と長崎に投下された2つの原爆のレプリカもあった。その奥の小さなコーナーには焼け野原になった広島や長崎の写真や、12歳で原爆症で亡くなるまで平和を願い折り鶴を折り続けた佐々木禎子さんについての紹介も掲示されていた。

 20人ほどの見学者を引き連れた高齢の博物館の説明員は、原爆のレプリカ前で15分以上も熱弁をふるった後、原爆の被害のコーナーは素通りした。説明員に話を聞くと、佐々木さんや折り鶴のことは「知らない」と言う。ずっと鈍い頭痛を感じていたのは、高地アルバカーキでの高山病の症状のせいだけではなかった。 (金杉貴雄)

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