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パリ 安心の対価はお高く

2021年12月13日

 休日の朝、パリ市内の自宅で目覚めた小学生の娘の顔は青ざめていた。手先が震え、「胸が苦しい」と訴えている。前日に受けたPCR検査は陰性だったが新型コロナウイルスの可能性を疑い、早急に受診すべきか相談しようと休日救急を行っている小児病院に電話した。

 「受診の相談ならこの番号にかけて」と言われ、つながった先はパリ市の救急センター。職員に症状を伝えると、「医師と相談した結果」として救急車を手配され、10分後には救急隊員が到着した。物事の手続きが遅いフランスの日常に慣れていただけに、展開の早さに驚いた。

 後日聞いたところでは、救急センター職員の怠慢によって発作を起こした女性が搬送されず死亡した事案が社会問題化して以来、救急車の手配が迅速に進むようになったという。

 幸いにも娘は診察で異常が認められなかった。会計窓口で「救急車で来たのですが…」と告げると、職員は「後で請求書が届きますよ」。調べると、100ユーロ(約1万3000円)から数百ユーロかかるという。確かに安心にはつながったが、救急車の到着と違って一向に来ない請求書を戦々恐々と待っている。 (谷悠己)

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