2021年12月28日
「QRコードをお願いします」。ソウル支局に赴任するため韓国入りした直後、食堂で店員に求められて面食らった。
他の客はスマートフォンを機器にかざして入店していく。新型コロナ対策で入店者を記録するため、本人認証のQRコードをスマホに表示して読み取らせる仕組みらしい。
こうしたサービスには住民登録番号などが必須。私は外国人登録などを済ませるまで利用できない。「この国は今、外国人登録証とスマホ決済、コロナ関連の手続きなどが全てひも付けられている」と同僚。QRコードがなければ紙に住所や連絡先を記入する必要があり、しばらくは面倒を強いられそうだ。
ソウルで生活を始めると、近隣で新規陽性者が発生するたび「同じ店を訪れた人は検査を受けるように」との警報がスマホに届く。全ての行動を管理されているようでいい気持ちはしないが、「慣れるとむしろ安心」と話す在韓日本人もいる。
20年近く前、学生時代に留学した当時も韓国のインターネット環境は日本より進んでいたが、コロナ禍でさらに独自の進化を遂げていると実感する。 (木下大資)