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マスカット なぜ「直進」だけが?

2022年01月14日

 サッカー日本代表の取材で、アラビア半島南端オマーンを訪れた。公用語はアラビア語だが、タクシーに乗ると面白い言葉を耳にした。アラビア語で「アラトゥール(真っすぐ)」と説明すると、オマーン人運転手から「ここでは『シーダ』だ」と返された。シーダ? 不思議に思って尋ねると、ヒンディー語で「真っすぐ」の意味らしい。

 首都マスカットには、インドとバングラデシュの労働者が非常に多い。店員やホテル従業員、作業員は軒並み両国出身者。その影響なのか、タクシーではオマーン人もなぜか「直進」だけは「シーダ」を使うという。

 石油や天然ガスによって生活が豊かな湾岸諸国では、自国民は雇用主や公務員として働き、民間の被雇用者は外国人が多い。オマーンも同様で、人口500万人の国を豊かな資源が支え、一般労働者の多数は外国人が占める。外国人依存を減らそうと、自国民の雇用を促す「オマーン人化政策」があるほどだ。

 「シーダ」に置き換わった理由は何となく分かったが、別の疑問が湧いてきた。なぜ右折と左折はアラビア語のままなのか。なぜ直進だけ? 頭からシーダが離れない。 (蜘手美鶴)

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