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ニューヨーク 身近なワクチン格差

2022年01月06日

 米国で5歳から11歳の子どもにも新型コロナウイルスワクチンの接種が認められ、近所の病院に長男(10)を連れていった。どの国でも子どもは注射を怖がるもの。気分を和らげようと、院内ではディズニー映画が流され、接種後はお菓子や色鉛筆がもらえた。

 世界最悪のコロナ死者を出しながら接種率の上昇が頭打ちになって久しい米国。大人への「おまけ」は、さらにインフレ気味だ。ニューヨーク市は職員のワクチンを義務化し、初回の接種に1人500ドル(約5万7000円)を支給したという。5月ごろは「ハンバーガー店でポテト無料」程度でニュースになっていただけに、わずか半年で隔世の感がある。

 かたや、4月に何の見返りもなく接種を済ませてしまった身としては、効果を持続させる3回目の「ブースター」を打ちたい時期。だが、こちらは特にインセンティブはなく、希望者多数で予約に苦労するほど。「僕は喫煙者だから基礎疾患扱いで優先的に受けられたよ」という知り合いの米国人の話に若干の理不尽さも感じつつ、スマホを片手に都合の良い接種枠を探している。 (杉藤貴浩)