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タイ・メソト 故郷追われた人の数

2022年02月14日

 頬に黄土色の伝統化粧品タナカを塗った女性に、スカート風の腰巻きロンジー姿の男性が行き交う。11月に訪ねたタイ北西部、国境の町メソト。川向こうにミャンマーを望む集落は移民がほとんど。看板もビルマ語だ。住民は難なく国境をまたいで行き来するが「最近は新型コロナウイルスやクーデターでピリピリしていて…」と果物屋台の年配女性はかぶりを振った。

 宿泊先でくつろいでいたその夜、偶然にもスマホにミャンマー・ヤンゴンに住んでいた知人からメッセージが届いた。「実は10月に国を出て、米国で暮らし始めました」。クーデターの混乱で足止めされていたが、ようやくかなったという。ただ、予定していた親族全員とはいかず、家屋や経営していた会社もそのまま。「機会を逃すと、いつになるかわからない。でも、いつまた戻れるか」。取るものも取りあえずの姿が浮かんだ。

 今年、ミャンマーでは2月のクーデター以降だけで、30万人以上が家を追われた。昨年末時点で、世界中で故郷を追われた人たちは8000万人以上という。望郷の念が募る年の瀬、この1年を振り返り、増え続ける数字を思った。 (岩崎健太朗)

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