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ニューヨーク 「乾いた1月」の後で

2022年03月22日

 「ドライ・ジャニュアリーを始めたんだ」。年明け久々に会ったニューヨーク出身の友人(42)から少し誇らしそうに言われた。乾いた1月? 何のことかと思って聞いてみると、1月いっぱいはアルコールを口にしないチャレンジらしい。「このところ少し飲み過ぎ、食べ過ぎだったからね」

 確かにこの国は、11月下旬で1年の仕事はほとんど終わったというような雰囲気があって、それからは感謝祭やクリスマス休暇、年越しカウントダウンなどパーティーがめじろ押し。特に酒好きならずとも、ついつい「ウエット」な日々が続いてしまう。

 その反動もあって、健康志向の高いニューヨーカーの間に「断酒の1月」が広がっているという。「2月から解禁しても、以前より飲む頻度が減る効果もあるそうだよ」と友人。

 「それは良いことを聞いたな。今度コラムで書いてみよう」と、その晩さっそくビールの栓を抜いた筆者は別として、挑戦者たちは無事に1月を切り抜けたのだろうか。今日は2月1日。町中からプシュッという音が聞こえてきそうである。 (杉藤貴浩)