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バルセロナ ミロの愛した郷土よ

2022年04月12日

 黄色地に4本の赤い線を引いた旗を窓に掲げた住宅が、街の至る所で目にとまる。東京・渋谷で開幕したミロ展の取材で訪れたスペイン・バルセロナ。旗は、長年にわたって中央政府からの独立を目指してきたカタルーニャ自治州のシンボルだ。

 市内の公共掲示物には必ず、スペイン語と英語、そしてカタルーニャ語での表記があった。独立国だった中世から守られてきたこの言語は、独立を目指すカタルーニャ人の精神的な支えとなっている。取材でお世話になったバルセロナ自治大准教授のリカル・ブルさん(40)も「カタルーニャは独立すべきかですって? すべきに決まっています」と言い切った。

 バルセロナに生まれたミロも郷土愛の強い人だったという。内戦を経て誕生したフランコ独裁政権はカタルーニャ語を禁止するなど弾圧を強めたが、同じカタルーニャ文化圏のマジョルカ島に逃れ、創作を続けた。

 現在の自治州議会で多数派を占める独立派の諸政党は意見対立が続き、独立の機運は停滞している。「ミロが見たら『何をやっているんだ』と失望するでしょうね」。ブルさんは巨匠の胸中を代弁した。 (谷悠己)

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