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北京 行動制限はいつまで

2022年08月17日

 4月下旬から、新型コロナウイルスの感染拡大で北京では厳しい行動制限が強いられた。本紙中国総局がある朝陽区の南部は特に厳しく、多くの地下鉄の駅が閉鎖され、タクシーも使えなくなった。制限は5月末に一部緩和されたが、5分ほど歩いて隣の区に行きタクシーを呼ぶのが日課となった。

 公共交通機関が使えないため、多くの市民がレンタル自転車を使い、街角は駐輪車であふれるように。自転車で通勤するようになった男性会社員(45)は「大変だけど、運動不足の解消にはなる」と語った。

 ただ毎朝、公園などでダンスや体操を日課にしていた高齢者は、家に閉じこもりがちになり、健康への影響を心配する声も聞く。生活必需品以外の商店は営業停止が続き、廃業に追い込まれるケースも出てきた。知人の飲食店主は「このまま営業停止が続けば、従業員を雇い続けるのは難しい」と頭を抱える。

 オミクロン株の症状がそれほど重くないことは北京市民も知っており、感染拡大への恐怖感はあまりない。

 むしろ行動制限の長期化や強化に対する不安感が高まってきているようだ。 (坪井千隼)