【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. アジア
  5. バンコク 「その日」を心待ちに

バンコク 「その日」を心待ちに

2022年09月22日

 帰宅途中のバンコク高架鉄道駅。「日本の方ですか」。改札の路線図前で、着いたばかりという2人組に声を掛けられ、切符の買い方と目的地までの乗り換えを案内した。路上やモール、観光名所の寺などで、日本人とおぼしき旅行者や出張者によく遭遇するようになった。

 東南アジア各国は開国が一気に進み、タイも7月から新型コロナウイルス禍以前と変わらぬ入国手続きに戻った。観光商談会や、店舗の新規開店など旅行者受け入れの熱気が伝わるが、観光庁幹部は「今年はまだ4分の1程度。以前の水準に戻るのは2年後か」と見通しは辛めだ。「一方通行では、航空便の供給も満たされない。世界規模での回復が重要」なのだという。

 「日本も観光受け入れを再開したが、まだ制限が多い」。訪日タイ人顧客を多く抱える旅行会社の責任者は、コロナ禍を物販でしのぎ、従業員の給与などを捻出してきた。「日本への旅行を待ち焦がれている人は多い」と一刻も早い正常化を望む。

 タイ人の知人は、街中の両替店にせっせと通う。円安が進む今、レートをにらみ、小遣いを円に替え「その日」を心待ちにしている。 (岩崎健太朗)