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ニューヨーク 一番恋しい日本食…

2022年11月11日

 夏休みで日本に一時帰国した家族から連日「おすしを食べた」「おそば屋さんに行く」といったメッセージが届く。「お、いいね」などと返信するが、実はそれほどうらやましくない。ニューヨークではたいていの日本食は身近で手に入るからだ。

 マグロのにぎりくらいは地元のスーパーでも置いてあるし、そば店やラーメン店も街で見かける。郊外には、まるで日本から移設したような大型日系スーパーもあり、たとえば納豆なら片手にあまる種類から好みを選べるほど。

 だが、ただ一つ恋しいと思ったのは「卵かけご飯」。生卵を食べる文化のない米国では、スーパーの卵は基本的に殺菌処理されておらず、生食は食中毒の危険があると言われている。その割に12個入りで5ドル程度(約670円)と高いのだが。

 そんな話を米国の友人にすると、「Pasteurized(低温殺菌)」という単語を教えてくれた。「まれに、この表示のついた卵を見かけると、日本で大好きになったすき焼きをつくるんだ」。思えば、すき焼きも渡米後2年間、口にしていない。スーパー巡りの旅が始まりそうだ。 (杉藤貴浩)