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ワイマール ドイツ デザインの街に熱気

バウハウス博物館を飾る白いモニュメントの塀は、展示会場であることを示す

バウハウス博物館を飾る白いモニュメントの塀は、展示会場であることを示す

 「有名なパウル・クレーやワシリー・カンディンスキーらがここの教授でした」とワイマール観光局公認ガイドのエーレンガルト・ノイハウスさん。クレーは日本の展覧会でもおなじみ。「リズムと動きの表現にこだわった」とノイハウスさんが説明する。前衛芸術の始祖ともいわれるカンディンスキーはバウハウスのロゴをデザインしたそうだ。黄色い△、赤い□、青い○を縦に並べたマークはどこかでお目にかかったかも。

 建築家で初代校長のグロピウスの招いた造形芸術家やその卒業生が近、現代デザイン界に与えた影響は計り知れないという。シンプルで機能的、そしてモダンな感覚を追求した建築から工芸品、家庭用品まで。現在の私たちの身の回りにある机、いす、電気スタンドにも生かされていることに気づく。

 90周年のイベントはワイマール市内の各施設を総動員して秋まで開催中。かつてゲーテが住んだ「ゲーテハウス」も会場のひとつになっていて教授陣の作品、ワイマール新美術館は当時の学生らの作品、バウハウス博物館ではその歴史をコミック調にした展示が見られ、楽しめた。

大学構内の記念パーティーでは、90年前にデザインされた舞台衣装によるパフォーマンスも

大学構内の記念パーティーでは、90年前にデザインされた舞台衣装によるパフォーマンスも

 20世紀の初めにスタートしたワイマールでのバウハウスの歴史はいったん5年間で終わる。ナチスの台頭で共和国が衰退し、1925年に同じ中部ドイツのデッサウに移り市立学校に。さらに32年に閉鎖され、ベルリンで私立学校になるがここも翌年に廃校になった。

 だが、現在、ワイマールに大学がある。その名も「バウハウス大学ワイマール校」。東西ドイツ統一後の1996年、国立の総合芸術大学として由緒ある名前が引き継がれた。同校はゲーテハウスから歩いて10分ほど。普段非公開だが、特別に案内された校長室は幅、奥行き、高さがいずれも5メートルの立方体で、グロピウスが実際に使っていた部屋を復元したという。そこにあるのは机とソファと本棚だけ。「私にはこれ以上のスペースは必要ない」という彼の合理性が強く感じられた。

 もう一つ。校舎各階の階段踊り場に、あの△□○。赤、青、黄色。壁一面に原色の幾何学模様で構成されたカンディンスキーのデザインに圧倒された。

 文・写真 馬目詩子

 (2009年5月22日 夕刊)

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