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白浜町 和歌山県 パンダと潮騒 心地よく

アドベンチャーワールドの「パンダラブツアー」ではパンダにエサやりができる

アドベンチャーワールドの「パンダラブツアー」ではパンダにエサやりができる

 東京の上野動物園で生まれたジャイアントパンダ「シャンシャン」と母親「シンシン」の仲むつまじい姿を見たい。そう思って観覧の申し込みをするも、すべて敗退。2月からは先着順になったものの、朝早くから長蛇の列に並ぶのも…。

 「そうだ。和歌山に行こう」

 和歌山県にはパンダがたくさんいると聞いて、空路で羽田空港から南紀白浜空港に向かった。わずか1時間15分のフライトで着いた。空港ロビーにはポスターや縫いぐるみなど、多くのパンダがお出迎えしてくれた。歓迎ムードは上野駅と変わらない。期待が高まっていく。早速、パンダ目指して、「アドベンチャーワールド」に向かった。

 予約していた「パンダラブツアー」に参加した。ついに念願のパンダとご対面だ。ガラス越しではなく、同じ空気を吸っているという親近感に感動していると、「それではエサやりをどうぞ」と飼育員さん。桃浜(とうひん)(3歳)におやつのニンジンをやると、「モグモグ」と勢いよく食べてくれた。

 アドベンチャーワールドには現在5頭のパンダが飼育されている。桃浜は桜浜(おうひん)と双子の姉妹。飼育スタッフの熊川智子さん(45)に「双子は珍しいですね」と聞くと、「実はパンダは双子が多いんですよ。しかし、母親は一つのことにしか集中できないので、エサを与えている間に赤ちゃんをこっそり入れ替えます」と飼育の苦労を教えてもらった。

 大阪府豊中市から来た男性(40)と妻(37)はパンダ大好きファミリー。「5頭もいれば必ず起きているパンダがいていいですね」と妻。息子(3つ)も歩いているパンダに満足そうだった。

 パンダ以外にも見どころがたくさん。草食動物ゾーンは徒歩や自転車でもまわることができ、キリンにエサやりをすることも。人間と動物との境目をつくらないのがアドベンチャーワールドの特徴と言える。4月で開園40周年を迎える。

「三段壁」はエレベーターで降りて洞窟探訪ができる=和歌山県白浜町で

「三段壁」はエレベーターで降りて洞窟探訪ができる=和歌山県白浜町で

 翌日は「南紀熊野ジオパーク」を巡ることにした。見どころとなる「ジオサイト」は白浜町内に12カ所が選定されている。サイクリングロードも整備されており、レンタル自転車で風を切りながら眺めるのもいい。今回はジオガイドの築山省仁(しょうじ)さん(63)の案内で進むことにした。

 三段壁はびょうぶのように直立した高さ約60メートルの絶壁だ。展望台からの景色もよいが、源平合戦の時に活躍した熊野水軍が船を隠したという洞窟もエレベーターで降りて見学することができる。歩道には水軍の番所小屋も再現されていた。マグマの活動によって作られたため、岩肌は全体的に褐色だ。

 次いで千畳敷に向かう。三段壁に比べて色が白い。「砂岩層上面に生痕(せいこん)化石が多く残っています」と築山さん。ニョロニョロと古代生物が動いた跡を見つけることができた。築山さんは「地球規模の歴史がわかるのがジオパークの魅力」と話す。

人気の撮影スポット「円月島」=和歌山県白浜町で

人気の撮影スポット「円月島」=和歌山県白浜町で

 円月島は南北130メートル、高さ25メートルの小さな島の中央に丸い穴が開いている。海食によってできたものだ。夕暮れ時は絶好の撮影スポットとなり、日没時の太陽と穴が重なる光景を撮ろうと、多くの観光客が訪れていた。

 砂浜は地名の通り白かった。潮騒は心地よい。都会の喧騒(けんそう)を忘れさせてくれる。のびのび過ごすパンダもストレスフリーに見える。白浜の空気はきっと「パンダラブ」なのだろう。

 文・写真 須藤英治

(2018年4月6日 夕刊)

メモ

地図

◆交通
羽田からは空路で南紀白浜空港へ。
新幹線は新大阪まで行き、JR紀勢線特急「くろしお」で白浜駅で下車。
車両前頭部をパンダフェースにした「くろしお」も運行中。

◆問い合わせ
アドベンチャーワールド=電0570(06)4481
白浜町観光課=電0739(43)6588

おすすめ

手作りランプ教室

手作りランプ教室
生かげろう(右)

生かげろう(右)

★パンダラブツアー
1日1回限定15人。
予約はアドベンチャーワールドのホームページから。
7000円。

★手作りランプ教室
和紙を使った本格的なあかり作りに挑戦。
工房の木村弘忠さん(70)の軽快なトークも魅力。
要予約。
Sサイズ2800円。
LEDランプ付き。
ゆめあかり工房牟夢(むむ)=電0739(20)1266。

★生かげろう
スポンジ生地に甘いクリームをサンドした銘菓・かげろう。
本店ではフルーツなどを挟んだ「生かげろう」(右)も味わえる。
カフェを併設。
カフェは原則木曜定休。
福菱本店=電0739(42)3128。

★南紀白浜オリーブ&ジェラート工房
元フランス料理人が作る地元産果物にこだわったジェラート。
ダブルサイズ450円。
電0739(42)3808

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