ジャンル・エリア : 甲信越 2008年05月13日

ホタルの里として全国に知られる辰野町のほたる童謡公園で今年、ゲンジボタルの幼虫の観測数が、1995年の町調査開始以来最多になったことが分かった。
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観測数は1万6000匹で、最多だった2000年の2倍、最低だった05年の16倍。環境汚染や気象条件によりここ数年間は不調だったが、町は「今年は乱舞が見られそう」と期待している。
調査は、町職員と地元有志が11日までの約1カ月、午後8時前後の約1時間、同公園で実施。結果、昨年(2500匹)の6倍超となる1万6028匹を確認した。2000年は8000匹、05年は1000匹だった。
町や地元児童らがホタルのすみ良い環境を目指し、水路の泥を除去したりカワニナの稚貝を放流したりしてきた活動が実を結んだ形。水路に流れ込む諏訪湖の水質改善、温暖で雨が適度に降ったこともプラスに働いた。
上陸が最も盛んだった5日夜には7000匹以上を確認。50年近く調査を続ける元教員の勝野重美さん(78)=同町宮木=は「周囲が明るくなるほど。あれだけすごいのは初めて見た」と喜んでいた。
同町の「ほたる祭り」は6月21日に開幕する。町は「今後の天候次第では、最高だった03年の13万匹を超える光の競演が見られるかもしれない。開幕時にはピークを迎えそう」と話している。
(荒井隆宏)