ジャンル・エリア : 近畿 2008年06月24日

長浜市の観光拠点「黒壁スクエア」を運営する第3セクターの黒壁(高橋政之社長)が、名物となる新たな食品を創出しようと、独自の技術を持つ地元のベンチャー企業とともに、菓子、しょうゆ、豆腐などの試作に取り組んでいる。
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黒壁が手を組むのは、豆類の発芽で独自技術を持つ「シードライフテック(SLT)」(落合孝次社長)。長浜、米原両市の農家が育てた大豆やソバを使い試作を進めている。
SLTでは水をやる頻度や酸素、光の調整により、発芽を一定の段階で止めることで本来、発芽で消費される有効成分を種の中に多めに残すことに成功。
この技術で発芽させた大豆は100グラム中の食物繊維がサツマイモの8倍超となり、この大豆でつくった豆腐には、抗酸化作用を持つイソフラボンが通常の大豆で作った豆腐の倍含まれることが分かった。
クッキーは今春、黒壁スクエアで観光客に配布したほか、現在は外部にモニター試験を委託。2カ月間、朝食として食べてもらい、機能性を調べている。結果は秋に出る予定で研究開発チームの広西佑羽子さんは「順調にいけば、年内の商品化もあり得る」と話す。
黒壁の田辺勉取締役総括支配人は「将来、この技術で開発した食品を集めた売り場を、黒壁スクエア内に設けられたら」と見守っている。
(勝間田秀樹)