ジャンル・エリア : 岐阜 2010年04月20日

日帰り施設として再開する中崎山荘=いずれも高山市奥飛騨温泉郷神坂で
北アルプス登山の玄関、高山市の新穂高温泉の宿の草分けで、井上靖の山岳小説「氷壁」に登場する中崎山荘が20日、日帰りの入浴施設として再開する。川の砂防工事のため山荘が姿を消して2年余り。経営者の水波隆さん(63)は「登山者に育てられてきたので、恩返しをしていきたい」と再出発への決意を新たにしている。
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蒲田川沿いにあった中崎山荘は1950年代前半、材木商だった水波さんの亡父が建てた作業小屋を訪れるようになった登山者を受け入れたのをきっかけに宿泊施設となった。しかし川の砂防工事の範囲にかかり、2007年に取り壊された。
対岸に新たに温泉を掘り、当初は宿泊施設での再出発を目指したが、水波さんが心筋こうそくで倒れたため断念。日帰りにすることにし「中崎山荘 奥飛騨の湯」の名で、男女それぞれの屋内風呂と露天風呂がある施設を整えた。

登山者に恩返しをしたいと語る水波隆さん
水波さんは「風呂だけでも入りたいという要望を多く聞き、再開を決めた。まだまだ頑張って登山者をもてなしたい」と張り切っている。
入浴料は800円(子ども400円)。
(山下洋史)