ジャンル・エリア : 福井 2010年11月02日

9月から提供を始めたスッポン料理と田辺一彦組合長=若狭町海山で
若狭町海山の宿泊施設とドライブインの計7軒でつくる海山観光組合が、スッポン料理を地域振興策の柱の1つにしようと取り組んでいる。9月から2軒の組合員が先行して提供を開始。今後、全組合員に広げ、“名物”に育てたい考えだ。
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海山地区は、常神半島の根元にあり、三方五湖のうち、水月湖に面する町内観光地の1つ。組合員は町特産の梅を出荷する梅農家との兼業が多く、昨年から梅の木のオーナー制度を設け、応募したオーナーに収穫を楽しんでもらう地域振興策に取り組んでいる。
スッポン料理の提供は振興策の第2弾。町内の企業が約3年前から養殖事業を始め、出荷が安定してきたことを知り、地元産食材として活用することにした。JR西日本の旅行プランに料理提供を売り込んだところ「若狭で味わう海鮮料理とすっぽん鍋」として紹介され、9月から組合員のホテル「水月花」と旅館「湖上館パムコ」で提供を始めた。
メニューは組合で検討を重ね、スッポン鍋と肝を使った茶わん蒸し、スッポンの血と酒類を混ぜた食前酒の3品。これに各店がそれぞれ個々の海鮮料理などを加える。
これまで組合員もそうだったように、町内の旅館や民宿が提供する食事は、日本海の海鮮料理が中心。湖上館パムコを経営する田辺一彦組合長(39)は「スッポンにはコラーゲンが多く含まれる。スッポンのおいしさを求める客層に加え、美容や健康志向の層も見込める」と期待。「お客が宿を選ぶ際の判断材料の1つに加えてもらえるようにしたい」と意気込む。
組合では、施設の料理担当者がスッポンの調理法の講習会を開くなど、研究にも余念がない。近く、新たに4軒が提供を始める予定で、町内のほかの旅館からも組合に「スッポン料理を始めたい」との相談が寄せられているという。
田辺組合長は「知名度が上がれば町への観光客の呼び水になる。ぜひ、海山名物として売り込んでいきたい」と話している。
(安福晋一郎)