ジャンル・エリア : 愛知 2009年11月05日

安土桃山時代に作られた地球儀などが展示される会場=名古屋市中村区の市秀吉清正記念館で
1543年のポルトガル人漂着を境に、日本人の世界観がどう変わったかを紹介する特別展「安土桃山時代の世界地図」が名古屋市中村区の中村公園内、市秀吉清正記念館で開かれている。15日まで。入場無料。
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欧米、日本で印刷された地図19点と地球儀2点を展示。年代順に並べ、海を越えた交流が進むにつれて地図の内容がより正確になっていく過程をたどることができる。
欧米で日本と分かる地図が登場したのは1595年の「テイセラ 日本図」。ポルトガル人が編集した世界地図の改訂版に追加されたもので、尾張地方を示す文字も記された。
日本では当時「行基図」と呼ばれる日本図が用いられたが、欧米製の世界地図がもたらされ、地理感は劇的に変化。1600年代の江戸前期には、海外で刊行された世界地図「坤輿(こんよ)万国全図」を写した屏風が作られた。赤道や回帰線もあり、現代の地図に近い。
小西恒典学芸員(45)は「欧米で描かれた日本の地図は、宣教師が日本人からの情報を得て詳しくなった。鎖国中も地図は行き来しており、互いに興味を持っていたことが伝わる」と解説した。
(小中寿美)