ジャンル・エリア : 甲信越 2011年05月31日

漆器祭の客を迎えようと展示した木曽漆器=塩尻市のJR木曽平沢駅で
塩尻市の「木曽漆器祭・奈良井宿場祭」(市などの実行委員会主催、中日新聞社など後援)が、6月3日から5日まで同市楢川地区で開かれる。特産の漆器や漆芸品は東日本大震災以降、業務用など大口注文のキャンセルが相次ぎ、木曽漆器工業協同組合は「漆器祭を業績回復の足掛かりにしたい」と意気込んでいる。
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楢川地区の漆器工房、漆器店は約180軒。同組合の田中秀夫事務局長によると、東北に顧客を抱える業者も多く「宿泊施設や飲食店から注文の断りや延期の申し出を受け、先行きの厳しさを訴える声を聞く」という。
組合が運営する木曽くらしの工芸館の売り上げも、震災直後の3月は前年同期比25%減。5月の大型連休でやっと持ち直しただけに、漆器祭への期待は大きい。
組合は30日、JR木曽平沢駅の待合室に木曽漆器を展示した。昨年の漆器祭を調査した松本大(松本市)の学生の「駅に降り立っても祭りの雰囲気がない」との指摘を受け、もてなしの心を込めた。
漆器祭・宿場祭は44回目。「大漆器市」と銘打ち、地区内の各店で展示即売する。震災の復興支援もうたい、売り上げの一部を寄付する計画だ。奈良井宿では6月5日、江戸時代に将軍家に献上する茶を運んだ道中行列の再現「お茶壺道中」がある。問い合わせは実行委事務局の市観光課=電0263(52)0280=へ。 (福沢幸光)