ジャンル・エリア : 愛知 2011年11月30日

元気そうに餌を食べるコユリ=名古屋市千種区東山元町で(東山動物園提供)
カバの中では小柄なコビトカバの雌「コユリ」が東山動物園(名古屋市千種区東山元町)に仲間入りし、29日から一般公開が始まった。上野動物園(東京都)から引っ越してきたばかり。隣にすむ姉「コウメ」との同居がスタートし、飼育担当者は「美人姉妹の愛らしい姿を見てほしい」と話している。
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「恥ずかしがり屋なんです」。東山動物園の獣医師大島正昭さんは、なかなか姿を見せないコユリを温かく見守っている。28日夕に、園に到着。青草やおから、バナナを食べると、すぐに室内のプールに入った。時折、顔をすっと水面に出すが、すぐに戻っている。
コビトカバはアフリカに生息する絶滅危惧種。ジャイアントパンダなどとともに、世界の珍獣と呼ばれる。東山では1966(昭和41)年から、死亡したものを含め、計10頭を飼育してきた。東山の他には全国でも2園にしかいない。
コユリは2009年に上野で生まれ、「一番の美人」と評判だった。父昭平が90年に東山で誕生した縁で、今回来園。体長170センチ、重さ200キロ。大島さんは「もうひとまわり大きくなるはず」と見込んでいる。
コビトカバの習性は詳しく分かっていないが、野生では森林で餌の植物を探す。夜行性で、単独で行動。コユリも28日に大島さんが帰る際は床に餌を半分ほど残していたが、夜のうちに食べきっていた。
この日は少し慣れたのか、食事の時間に陸に上がり、元気よく平らげた。
大島さんは「今は朝一番の1時間ほどの餌の時間帯に水から出ることが多い。自然界でもなかなか見られない貴重な姿なので、早い時間に見に来てほしい」とアピールしている。
(丸田稔之)