ジャンル・エリア : 福井 2009年11月25日

「逆風」(右)など松木庄吉さんの代表的な作品が並ぶ会場=おおい町成和の町立郷土史料館で
31歳の若さで戦死したおおい町出身の彫刻家、故松木庄吉さんの没後65周年企画展「郷土の芸術・創作家と伝統工芸」が、同町成和の町立郷土史料館で開かれている。29日まで。
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松木さんは1914(大正3)年生まれ。小学校卒業後、家業の石材店で働きながら独学で彫刻を学んだ。34年に彫刻家を目指して上京。その後、頭角を現し、文展で6回の入選と特選に輝くなど才能を開花させたが、44年にニューギニアで戦死した。
今回の展示は、松木さんの業績をあらためて紹介しようと、同史料館が企画。風に立ち向かう力強い男性の姿を表現した第6回文展(43年)特選受賞作「逆風」など、代表的なブロンズ像作品34点を展示した。東京から古里へ送った手紙や生前の写真など約30点も並べた。
また同時に、同じようにおおい町で育った画家の渡辺淳さん(78)=同町川上=ら13人の芸術家や伝統工芸職人の作品約20点も展示している。
同館学芸員の川嶋清人さん(34)は「戦争という束縛された時代の中で、自由な表現を求めて創作を続けた松木さんの情熱が伝わってくる作品ばかりです」と、来場を呼び掛けている。入場無料。
(岩本旭人)