ジャンル・エリア : 近畿 2012年03月05日

初恋の思いをこめたメッセージが描かれた京阪電車=大津市の坂本駅で
初恋乗せて、出発進行-。「初恋とふるさと」をテーマに、21文字のメッセージが描かれた電車が4日、大津市の京阪電鉄石山坂本線を走り始めた。
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沿線14.1キロに20ほどの小中学校、高校、大学があり通学の足となっているため、市民団体「石坂線21駅の顔づくりグループ」が企画。6回目の今年は全国から2948作品が集まった。
歌人の俵万智さんが審査委員を務め、最優秀作は、中川栄美さん(41)=愛知県=の「久しぶりと声がする。車掌さんは初恋の人」が輝いた。優秀作には海野兼夫さん(61)=埼玉県=の「会えば#(シャープ) 会えなきゃ♭(フラット) 胸の音符は揺れ続け」が選ばれた。
入賞作の中で、最高齢となった浜大津駅周辺に住む小川和子さん(75)は「出征する父見送りしこの電車 残されし母百歳に」と表現し、親子で激動の時代に生きた証しを21文字に託した。
入賞作の24点は4月1日まで車体や中づりに掲示される。入選以上の100点は、サンライズ出版(彦根市)から3月12日に作品集として出版される予定。 (木原育子)