ジャンル・エリア : 富山 2012年03月06日

復元され、高岡関野神社に保管されているちょうちん台=高岡市末広町で
10、11日の催しで披露
大正から昭和に活躍
大正時代から昭和初期にかけ、高岡市の「御車山祭」(5月1日)の際に沿道に並んだちょうちん台の復元に、地元住民でつくる「土蔵造りのある山町筋まちづくり協議会」が取り組んだ。90台を作り、10、11日に地元であるひな祭りイベントで披露、大正ロマンの薫る街の姿をよみがえらせる。
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ちょうちん台は、高岡開町300年を祝った1913(大正2)年の写真などで確認できるが、戦前には既に使われなくなっていた。協議会が昨年6月、「山町をさらに磨いて、御車山祭や町に奥行きを持たせよう」と企画し、市に提案した。市と県の補助も受けられることになり、実現した。
復元に取り組んだちょうちん台の最初の一つは、高さ3.5メートルで、上にかぶとの形をした屋根のような傘がある。地元住民の蔵の中から見つかった傘の形を参考にして作った。高岡関野神社(末広町)に保管してある。
山町は重要伝統的建造物群保存地区で、整備事業で行われた無電柱化工事に合わせ、各家の前の道路沿いにちょうちん台の棒を入れる専用の穴も設置した。
山町では各家でちょうちんを保管しているところもあり、協議会が10、11日に行う「山町筋のひなまつり」でちょうちん台を設置し、弥生の季節を彩る。
協議会の若森征雄幹事(74)は「街の風情をこれからも磨き上げていきたい」と話している。 (飯田克志)