ジャンル・エリア : 三重 2013年06月21日

大杉谷峡谷を紹介する小冊子「Cedar」を手に来町を呼び掛ける町職員=大台町役場で
渓谷美で有名な大台町の大杉谷峡谷を紹介する小冊子「Cedar(シダー)」が完成した。食べ物などの情報を載せたり誌面に登場するモデルを女性にしたりして、女性登山者「山ガール」を呼び込もうとしている。
冊子はA5判で10ページ。Cedarは英語で杉を意味し、大杉谷にちなんだ。
最初の3ページは、滝や巨大な岩などを楽しめる大杉谷峡谷を紹介。峡谷の中腹にある桃ノ木山の家に宿泊する行程をモデルコースとして提案している。宮川での川下りやキャンプなど、登山以外のアウトドア情報も掲載。町特産の大台茶を使った和洋菓子「お茶スイーツ」や町内の造り酒屋が開発したリキュール「オレンジベア」など食に関する情報や、ガイド付きツアーの案内も載せた。
近鉄とバスを使うモデルコースはバスの時刻を示し、山ガールが調べる手間を省いた。製作費を抑えるため、町の女性職員がカラフルな登山服に身を包んでモデルを務めた。町産業課の上瀬裕美さん(32)は「登山以外の要素を多く盛り込んで、おしゃれに町内の自然を楽しめるようにした」と説明する。
町と近鉄の共同企画で、製作費は125万円。1万部印刷して、東京、名古屋、大阪などのアウトドアショップのほか、県内の登山専門店などで配布している。上瀬さんは「これを読んで大台町のファンが増えてくれれば」と願った。
大杉谷登山道は2004年9月の豪雨災害で通行止めとなった。12年8月から迂回(うかい)路を使って日出ケ岳(1695メートル)まで通り抜けできるようになったが、昨年4~11月の登山者数は5322人にとどまっている。
(戸川祐馬)