ジャンル・エリア : 愛知 | 歴史 | 芸術 2013年10月14日

障壁画の実物大の複写を鑑賞する来場者=中区の名古屋城で
名古屋城本丸御殿(中区)の障壁画をデジタル技術で忠実に再現した複写品2点が13日から、名古屋城の西の丸展示館で披露されている。11月3日まで。
玄関の「竹林豹虎(ひょうこ)図」(1614年)と、表書院の「桜花雉子(きじ)図」(同)のふすま絵。豹虎図は現存する本物を、雉子図は現代の絵師が制作時の色彩を想定した模写をそれぞれデジタルプリントした。
本丸御殿の各部屋には障壁画の模写が飾られているが、見学する位置が決まっており、間近で見ることはできない。今回の複写品はガラスケースもなく、目の前で鑑賞できるため色や筆致もよく分かる。奈良市から訪れた福本昇さん(81)は「虎の姿がいきいきして素晴らしい」と話していた。
本丸御殿は太平洋戦争で焼失したが、障壁画は取り外されて戦火を免れた。本丸御殿は2009年に復元工事が始まり、ことし5月から玄関と表書院が先行公開されている。
(佐藤航)