ジャンル・エリア : 石川 | 芸術 2015年08月19日

「つながりを感じられる」と話す村田由紀子さん=金沢市の玉川こども図書館で
東日本大震災で被災した福島県の子どもたちが描いた絵に、スペインの子どもたちが描き加えた作品が並ぶ「ふくしまから、生きている展覧会」が18日、金沢市の玉川こども図書館で始まった。絵を通じた交流の軌跡がたどれる内容で、21日には、スペインの子どもたちが描いた絵の続きを、金沢の子どもたちが描くワークショップもある。(飯田樹与)
会場には、福島県白河市とスペインの子どもたちが「未来の町」をイメージして描いた絵をモザイク状に貼り、一つの大きな町にした作品や、ロール紙に前の人の絵から受けたイメージを基に絵を描いていき、80メートルにも及ぶ作品「つながる絵」もある。
今回の展覧会を主催するスペイン・バルセロナ在住の村田由紀子さん(54)=津幡町出身=が、被災した白河市内で絵画教室を開く友人で画家のスズキヨシカズさん(49)の活動を現地語に翻訳し、子どもの絵や様子をスペイン国内で震災後に紹介。交流したいという多くの声が寄せられ、白河とスペインの子どもたちがコラボした作品づくりが企画された。
スペインでは、2012年秋からバルセロナやスリアなど5都市を巡回。現地の子どもたちに制作に参加してもらうことで、作品はどんどん巨大に。展覧会は金沢の後には福島でも開かれる。
スズキさんは「言葉や年齢などを超え、絵だけのつながりで一つの形となり感動的だ」と感慨深げ。村田さんは「悲しい出来事がきっかけだが、今では絵を通じてつながり合えた元気なプロジェクトに変わった。異文化に近づくための一歩にもなればうれしい」と来場を呼び掛けている。
展覧会は30日までで、入場無料。